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「 呼吸数・呼吸様式 」というバイタルサイン

5月19日のブログでは「バイタルサインとはなにか?」について書きました。

そこでは「バイタルサインとは、呼吸数、呼吸様式、動脈血酸素飽和度(SpO2)、チアノーゼ所見、血圧、脈拍、不整脈の有無、意識レベル、尿量、体温のことだ」とやや断定的に書きました。

バイタルサインについての明確な定義というのはありませんので、異論のある方もいると思います。

「尿量はバイタルサインじゃないでしょ!」とか、「血糖値もバイタルサインじゃないの?」とか・・・。

ただ、「○○はバイタルサインか?××は違うか?」などというのは、はっきり言ってどうでもいいと思っています。

大切なことは「患者が死にそうなのか、死ななそうなのかを判断するためには何をみるべきなのか?」「なにが一番重要なバイタルサインか?」ということです。

いきなり結論を言うと

「一番大切なバイタルサインは呼吸数・呼吸様式」

です。

なぜならば

「生命が危機的な状況なのに穏やかに普通に呼吸をしているなどということは考えられない」

からです。

しかも

「呼吸数や呼吸様式を診るのに、特別な測定機器などは一切不要」

です。

慣れてくれば時計すら不要で、約10秒で判断できます(その方法は後日説明する予定です)。

 

私は医師という立場上、患者の容体について報告を受けることが非常に多いです。特に、患者の緊急性を示す指標としてバイタルサインは極めて重要ですので、真っ先に報告されます。

しかし、その報告の中で「呼吸数」が報告されることは極めてまれです。

カルテ、報告書、紹介状などにバイタルサインの記録をよくみますが、そこにも呼吸数が記録されていることはほとんどありません。

いかに「呼吸数」というバイタルサインがないがしろにされているかがわかるかと思います。

 

(投稿者:斉藤 群大)