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ストレス脳

『ストレス脳 アンデシュ・ハンセン 新潮新書』

 

本書では、現代社会でよくみられるうつや不安に対して、どのように考え、どう立ち向かっていけば良いのかについて書かれています。

進化には非常に時間がかかるので、私たちの身体や脳は、未だ紀元前1万年以上前の狩猟採集時代に最適化するように作られているところから考察しています。

うつや不安は、狩猟採取時代から受け継がれてきたもので、うつや不安があった方が危険を察知でき、より生き延びやすかったところから来ています。そう考えると、うつや不安を感じることは当然のことで、異常ではないことが分かります。うつや不安への対策としては、運動を推奨しています。狩猟採集時代には、現代よりはるかに動いていたことが分かっています。研究によると、1日1万5000〜1万8000歩ほど歩いていたようです。運動量はここを目指すべきでしょう。さらに、量だけでなく、心拍数が上がるような負荷をかけた方がより良いようです。つまり、ウォーキングよりもランニングの方が勧められます。具体的には、週2〜6時間の心拍数の上がる運動をするのが、うつから守るために最も効率的とのこと。

どうしても食べ過ぎてしまう理由、ソファーに座って休んでしまう理由も、狩猟採集時代を考えれば分かります。体はできるだけ、エネルギーを体に溜め込み、無駄なエネルギーを使わないようにします。狩猟採集時代では、健康のために運動していたわけではありません。狩りをしている中で、自然に動いていたのです。現代では、意識的に食事を節制したり運動をしなければならないところが難しく、ダイエットや運動に挫折する人が多いのも納得できます。遺伝子の欲求を知識で超えなければならないからです。

また、現代の最大死因は心疾患、癌、脳血管疾患ですが、現代以前は、感染症が一番の死因でした。感染症との戦いが人類の歴史でもあったわけです。私たちは様々な感染症から生き延びた人類の子孫であり、感染症に弱い体であればとっくに淘汰されています。そう考えれば、現代の新型コロナウイルス感染症も恐れる必要はありません。感染症に負けない体になるために、狩猟採集時代に近づけば良いわけです。

私たちが狩猟採集時代に適応するようにできていると考えれば、あらゆることが説明でき、また、私たちがどのように生きていけば良いのかが分かります。文明の豊かな生活を享受している私たちには、狩猟採取時代の生活に戻ることはできませんが、生活様式をできるだけ狩猟採集時代に近づけることはできます。そうすることで、最大のパフォーマンスを発揮することができるはずです。

(投稿者:斉藤 揚三)