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パープルバッグ症候群

長期に尿道カテーテルが留置されている患者さんで、尿バッグが紫色であることを気にしている患者さんがいました。

これは、紫色採尿バッグ症候群(Purple Urine Bag Syndrome)とよばれていますが、特に気にする必要はありません。

尿バッグが紫色になる機序は…

便秘により腸内細菌が異常増殖する。

→腸内細菌の持つトリプトファナーゼにより、食事に含まれるトリプトファンが腸内でインドールに分解される。

→腸から吸収されたインドールは肝臓で代謝され、インドール硫酸になる。

→インドール硫酸が尿中に排泄され、尿路感染症を起こしていると、インドール硫酸がインディゴとインジルピンに分解される。

→インディゴは青色、インジルピンは赤色なので、混ざると紫色になる。これによって、尿バッグが紫色に染まる。尿自体は黄色である。

まとめ:パープルバッグ症候群は便秘と尿路感染症の存在を示している。長期に尿道カテーテルが留置されていれば、無症候性細菌尿は必発なので、治療対象にはならない。便秘があるかどうかは確認した方が良い。

参考資料: CQ27 Purple urine bag syndromeは治療すべきか? Minds ガイドラインライブラリ(公益財団法人日本医療機能評価機構)