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中心静脈栄養からの離脱

病院に肺炎などの急性疾患で入院し、その後食事が摂れなくなり、中心静脈栄養で管理されるようになる方は多いです。

また、訪問診療をしていると、入院中は食事がなかなか進まなかった人が自宅に戻ってから食べられるようになるということをよく経験します。

病院の食事が口に合わない、家庭の味が一番というのはあると思いますが、住み慣れた自宅の環境が良かったり、家族のサポートによって食べられるようになるというのもあると思います。

そのため、中心静脈栄養で在宅に帰ってきた方を訪問診療で診ることになった際には、中心静脈栄養を止めることが出来ないかを常に考えています。

当院のやり方としては、中心静脈栄養をしている状態で、まずはゼリーやプリンなどを食べてもらいます。それがムセなく食べられるようであれば、徐々に食事形態を上げていきます。完全に食事が摂れるようになってもヘパロックをして、食事が摂れなくなった場合に備えて中心静脈のラインは数週間は残しておきます。

誤嚥するリスクは常にありますので、十分な説明は必要です。

この方法によって、2017年度は4名の患者さんが中心静脈栄養から離脱することができました。

入院中は食べられなかったわけですから、主治医が選択した中心静脈栄養は間違いではないと思います。

しかし、中心静脈栄養では長く生きられたとしても2年くらいが限界です。やはり食事をして、自分の腸を使うのが一番自然ですしうまくいけばもっと生きられるではないかと考えています。

(投稿者:斉藤 揚三)