ブログ

ブログトップ > 低温熱傷の感染例

カレンダー

2024年4月
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

最近のブログ記事

カテゴリー

月別アーカイブ

  • 2024 (11)
  • 2023 (31)
  • 2022 (31)
  • 2021 (50)
  • 2020 (50)
  • 2019 (42)
  • 2018 (87)
  • 2017 (139)

低温熱傷の感染例

症例:90歳台男性

電気毛布による左下腿外側の低温熱傷。湿潤療法を開始。

7日後。創部から膿が出て痛みもあるとのことで再診。創部を中心に疼痛・発赤・腫脹あり、創感染と診断。

エコーでは、皮下組織は腫脹し、筋膜上に滲出液(低エコー域:赤矢印)が貯留している所見あり。

局所麻酔下に、下腿外側に小切開を加え、筋膜上にペンローズドレーンを挿入し留置。抗生剤の点滴をし、その後14日間抗生剤を内服。

10日後。

13日後。
 

 

17日後。

 

24日後。ペンローズドレーン抜去。

 

52日後。黄色壊死組織のデブリードマンを控えめに実施。

デブリ前
デブリ前
デブリ後
デブリ後

66日後。

 

80日後。不良肉芽が盛り上がっており、一時的にリンデロンV軟膏を使用。

 

94日後。

 

108日後。

 

129日後。プロペト塗布に変更。

 

143日後。治癒。

低温熱傷はほとんどが皮膚全層壊死のⅢ度熱傷になるため、治るまでに非常に時間がかかります。さらに感染を合併したため治療に難渋しましたが、湿潤療法を続けることで、約5ヶ月で治癒しました。
 
(投稿者:斉藤 揚三)