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糖尿なのに脂質(あぶら)が主因!

「糖尿病とその合併症予防の脂質栄養ガイドライン」
「糖尿なのに脂質(あぶら)が主因! 日本脂質栄養学会、糖尿病・生活習慣病予防委員会」
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本書には糖尿病の主因は植物性脂質であるという衝撃的な内容が書いてあります。

血糖値を上げる栄養素は糖質だけなので、糖尿病には糖質制限をすれば良いというのが現在の主流の考え方になってきていますが、話はそう単純ではないようです。

疫学のデータで、過去半世紀の日本人の総エネルギー摂取量、糖質摂取量が減っているにも関わらず、糖尿病が増えていることから、糖尿病が増えているのは、脂質エネルギー摂取量の増加(中でも植物性油脂)によるのではないかと推論しています。

それは、国をあげての「植物性油脂が健康にいい」といった間違ったスローガンで、動物性油脂から植物性油脂への転換が勧められた結果(これは商業的な側面が大きい)によるもので、それが何の根拠もないことが分かった今でも、信じている人がいます。

それでは、具体的にどのような生活をすればいいのか以下にまとめておきます。

・オメガ6系の油(菜種油、水添植物油、コーン油、オリーブ油、パーム油、大豆油、ひまわり油、紅花油など)は出血性を促進し、糖尿病や心血管疾患を引き起こすので極力摂らない。これらの油は肝臓やすい臓、骨格筋にたまりやすく、インスリン抵抗性が現れる。また、ビタミンK2作用を阻害もする。
→加工食品は植物油脂が含まれているものが多いのでできるだけ摂らず、素材そのものを食べる。調理方法としては油を使わない、生、煮る、蒸すが良い。

・動物性油脂(バター、ラード、牛脂など)の安全性は高く、肥満にならない程度に安心して食べられる。

・オメガ3系の油(シソ油、エゴマ油、魚油など)は、炎症が抑えられて多くの炎症性疾患(動脈硬化、癌、アレルギーなど)の予防になるのでなるべく摂取する。これらの油は蓄積しにくく、分解されやすいため、インスリン抵抗性を低く保つ。
→肉よりも魚を食べる。料理にエゴマ油をかけて食べる。

・脂肪細胞の数は、胎児期・乳幼児期に著しく増えるが、母親の食事のオメガ6/オメガ3の比率が高いと、子供の脂肪細胞数が増える。その子供がエネルギー過剰になると脂肪細胞のサイズが大きくなり肥満につながる。
→つまり肥満体質は母親の食事によって決まる。

この本は、産業界や製薬会社などの利権には全く影響されずに書かれているためとても信用できます。専門的な内容も多く、一般の方が読むには難しいと思われますが、健康に対する意識が高い方には是非読んでほしい本です。

(投稿者:斉藤 揚三)