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給食で死ぬ!!

『給食で死ぬ!! コスモ21』

無題

タイトルから、給食がいかに悪いのかが書かれた本だと思って読んでみたところ、そういった本ではなくて、荒れていた中学校に赴任した校長先生が学校を立て直す話だったのです。その中学校は、校内をバイクが走り、タバコの吸い殻が無数に落ちているような学校でした。

この校長先生は3つの柱によって学校を立て直しました。

まず一つは、非行の原因はつまらない授業にあると考え、授業改革に取り組みました。教師同士が授業を見せ合って、問題点を話し合い、「分かるできる楽しい授業」を目指しました。

二つ目は、給食改革です。食の実態調査によって、38%が朝食を摂っていなかったことが分かったそうです。さらに食べていたとしてもコンビニ弁当やカップラーメン、菓子パン、ハム、ウインナーなどの加工食品だったのです。家庭での食事を変えられないなら、学校の給食を変えるしかないとの考えで、5食すべてを米飯にし、副食を魚や野菜たっぷりのものに変えました。現在では給食の90%が、低農薬や無農薬の各地の地場産のものを使うようになっているようです。

三つ目は花作りです。学校に潤いがない、心を癒すものがないとのことから、花作りを生徒にさせました。本書に実際の花壇がカラー写真で載っていますが、素晴らしい花壇です。殺人事件が起きた学校の写真も載っていますので、比較してみると一目瞭然です。

この結果、子供が自主的に本を読んだり勉強するようになり、全国学力テストで高得点を取り、非行による事件がなくなり、不登校も減るという驚くべき成果を上げました。

この3つの柱の考えはとてもすばらしいのですが、何と言ってもすごいのは校長先生の行動力です。米の買い付けに全国を飛び回ったり、小麦を手に入れて自らパン作りをしたり、町長に直談判したり。さらに改革の途中で様々な批判にさらされますが、自分の信念を貫き通したところもすごいです。

全国で、いじめや不登校、非行などで問題のある学校があれば、この本の内容はとても参考になります。また、学校でなくても花作りや食事改革はできますので、あらゆる人に勧められる本だと思います。

(投稿者:斉藤 揚三)