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高齢者に首を寝違えたと言われたら

高齢者が朝になって首の痛みや首が回らなくなったことを自覚し、「首を寝違えたようだ」と言って来院することがあります。

それは首の寝違えではなく、頚椎の偽痛風(Crowned dens syndrome)かもしれません。

今回は、頚椎の偽痛風を疑うポイントについて解説します。

偽痛風は高齢者によくみられる四肢の関節に炎症が起こる疾患です。

この炎症は頚椎にも起こりえます。

診断するには頚椎のCTを撮ります(X線やMRIでは分かりません)。

歯突起(第2頚椎)周囲に石灰沈着を認めます。これで診断ができます。

しかし、CTが容易に撮れる環境であればよいのですが、在宅医療など、そうでない環境の場合はどうしたらよいでしょうか?

偽痛風は発熱がみられることが多いので、発熱しているかを確認します。血液検査で白血球増多やCRP上昇を確認します。

また、偽痛風は再発が多いので、過去に同じような頚部痛があったかどうか、関節が腫れたことがあったかどうかを聞きます。

偽痛風は予後良好な疾患なので、診断的治療も有効です。とりあえず、NSAIDsを1週間処方して経過をみます。偽痛風であればそれで良くなりますが、経過が思わしくないときは別の疾患も考えます。

鑑別疾患:髄膜炎、石灰性頸長筋膜炎、咽後膿瘍、椎骨動脈解離、脊髄硬膜外血種、化膿性脊椎炎、リウマチ性多発筋痛症など

(投稿者:斉藤 揚三)