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ノベルジン錠について

最近、低亜鉛血症に対して、亜鉛製剤であるノベルジンという薬が処方できるようになっています。

当院では潜在的な亜鉛不足を積極的に疑い、問診をした上で、疑わしい場合には血中亜鉛濃度も測定しています。そうすると、亜鉛欠乏の方が少なからずいます。慢性肝疾患、糖尿病、腎不全、慢性炎症性腸疾患があると、亜鉛欠乏に陥りやすいと言われています。慢性炎症性腸疾患以外は、高齢者によくみられる疾患のため、当院でもよくみるのだと思います。単純に亜鉛の摂取不足という方もいるかと思います。

血清亜鉛値の正常値は80~130μg/dLで、60μg/dL未満であれば、亜鉛欠乏症と診断できます。また、ALP(アルカリフォスファターゼ)は活性中心に亜鉛を持つことから、ALPが低値であることも亜鉛欠乏症と診断する根拠となります。

亜鉛欠乏でよく目にする症状は、食欲不振、味覚障害、皮膚炎、口内炎などです。

低亜鉛血症があり、このような症状がある方に、亜鉛を補充すると、たちまち良くなる方もいます。

今までは、亜鉛を補充したい場合は、亜鉛含有胃潰瘍治療剤のプロマックDを処方するしかありませんでしたが(保険適応外ですが)、現在はノベルジンを処方できます。

しかし、ノベルジンの欠点として薬価が非常に高い(25mg錠で269.5円、50mg錠で422.3円)ことがあげられます。25mg錠を1日2錠処方するとしたら、1か月の薬価は16170円です。この点を気にするのであれば、今までどおりプロマックDを処方するしかないでしょう。

ちなみに、プロマックD錠75mg 1日2錠処方すると、亜鉛含有量は約34mg/日、薬価は58円/日です。

また、亜鉛が過剰になると、銅が欠乏するので、漫然と投与するのは勧められません。

(投稿者:斉藤 揚三)