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前腕表皮剥離創の感染症例

症例:90代女性。施設入居中。

転倒し右前腕に表皮剥離を負った。前医では、ハイドロコロイドドレッシング処置を指導された。受傷から14日後に当院初診。

初診から25日後。表皮剥離創の感染が判明しました。

開放性ウエットドレッシング療法を開始し、抗生剤を処方(計10日間)。

4日後。

18日後。

32日後。

46日後。肉芽を収縮させるためリンデロンV軟膏を一時的に使用。

60日後。

74日後。

88日後。

116日後。

130日後。

165日後。上皮化完了。

<考察>
表皮剥離創の皮膚を元に戻されなかったため、開放創の状態が長く続きました。そのため、細菌が侵入しやすい状態が続いていたと考えられます。また、ハイドロコロイド被覆剤は創を閉鎖してしまうので、感染の温床になってしまったと思われます。開放性ウエットドレッシング療法であれば、創を閉鎖しないので感染を起こしづらく、また感染例にも対応できます。感染しても最終的には治癒しましたが、約5ヶ月もかかってしまいました。初期治療の重要性がよく分かる症例です。

(投稿者:斉藤 揚三)