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在宅での褥瘡治療③ 処置編

褥瘡をラップで治すというラップ療法を提唱したのが鳥谷部俊一先生ですが、ラップ療法は浸出液でムレることが欠点でした。鳥谷部先生はその問題を解決すべく、進化したラップ療法=開放性ウエットドレッシング療法を提唱しました。

これは、褥瘡を適度に湿潤環境に保ちつつ、浸出液は適度に吸収するという、とても優れた療法です。

当院では、鳥谷部先生のやり方を忠実に守るようにしています。

実際のやり方は鳥谷部先生が、書籍やDVDで詳しく解説していますので、そちらを見てもらうのが一番なのですが、簡単にその方法を紹介します。

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使うのは褥瘡パッド(穴あきポリ袋入りオムツ)という、台所用の水切り袋と平おむつを組み合わせたものです。

処置方法は、水道水で洗ってパッドを貼るという単純なものなのですが、さまざまなポイントがあるので解説します。仙骨部2度褥瘡の症例です。

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①ベッドが濡れないように、あらかじめ下におむつを敷きます(その際おむつではなくペットシーツにすると安価になります)。

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②褥瘡を含め臀部全体をぬるま湯で軽く洗います。使うのは水道水です。この際、霧吹きを使うとそれほど水を使うことなく、ピンポイントで狙った場所を洗うことができるので便利です。褥瘡には水圧はかけません。創面で細胞培養しているようなイメージをもってもらえば、創内は愛護的に扱わないといけないことが分かります。褥創を強くこするなどは厳禁です!

③褥瘡周囲の皮膚についた水をティッシュペーパーなどで拭きとります。褥瘡内部の水分は拭きとりません。

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④褥瘡パッドを当てて終わりです。この際、褥瘡パッドは褥瘡よりはるかに大きいパッドを使うのがポイントです(これは、創傷被覆材をできるだけ小さく貼るという従来の考え方とは異なります。この理由は、少しずれてもパッドが褥瘡に当たってくれるのと、大きいことで褥瘡にかかる圧を分散させることができるため)。また、パッドはテープで固定せず、おむつでくるんで固定するのがポイントです(これは、パッドが動くことで褥瘡にかかるずり応力を分散させることができるから)。おむつで固定できない部位はテープで固定します。

処置は基本的に1日1回で良いです。お風呂も許可します(お風呂の日の処置はお風呂上りにパッドを貼るだけで良い)。

デブリドマンは壊死組織をとるためというよりも内部を開放して浸出液や膿の出口を作るため、つまりドレナージ目的で行うことが多いです。壊死組織は完全にとれなくてもその後自己融解するので、残していても大丈夫です。

下肢の褥瘡にはナイロンストッキングを使うと便利です。ストッキングを履くことでパッドを固定することができ、またストッキングが滑ることで皮膚にかかるずり応力を分散させ褥瘡予防になり一石二鳥です。

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褥瘡予防にはワセリンを塗布するかフィルムを貼ります。これも、皮膚にかかるずり応力を分散させることができます。

次回は体圧管理について書いていきます。

(投稿者:斉藤 揚三)