ブログ

ブログトップ > 在宅医療における胃ろう交換の方法

カレンダー

2020年9月
« 8月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

最近のブログ記事

カテゴリー

月別アーカイブ

  • 2020 (39)
  • 2019 (42)
  • 2018 (87)
  • 2017 (140)

在宅医療における胃ろう交換の方法

胃ろうが造設されている患者さんは寝たきり状態の方が多いため、交換の度に病院に通院するのも大変です。
そこで、当院ではできるだけ在宅で交換できる方は交換するようにしています。

注意していることは、
初回交換はトラブルが多いと言われているので、造設した医療機関でしてもらう。
バンパー型はトラブルが多いため交換しない。バルーン型のみ交換する。
交換後の確認に、スカイブルー法とエコーを使いチェックします。

↓が表在エコーによる確認です。交換前後で変わりがないことを確認しています。
VH031771VN_000682_20170905T112926 VH031771VN_000682_20170905T113609

胃ろうの管理に関しては、 2016年度の在宅医学会大会での「在宅における胃瘻の管理 小野沢 滋先生」の講演がとても参考になりましたので、忘備録としてまとめて載せておきます。

交換頻度 バルーン型 1~2ヶ月に1回 破れるので

     バンパー型 6ヶ月に1

初回交換は6ヵ月後。造設機関で内視鏡下の交換を推奨。

バルーンタイプは結構破れる。同じ人で破けやすい。

在宅で交換する場合はガイドワイヤ付を推奨。

ボタン型の長さは、皮膚面から外部バンパーまで1~2cmほど余裕を持たせる。1cmでは短い。緩くて悪いことはない。

臨時訪問可能ならバルーン型を選択。

臨時訪問困難ならバンパー型が無難。

バンパー型なら細径経胃ろう内視鏡(経2.7cm、HOYA、60万円)で必ず確認する。

挿入後の確認

色素注入による確認(スカイブルー法)。エコーでかなり確実に分かるという論文あり。

○スカイブルー法 

100mlの水に1mlのインジコカルミンを入れて色素液を作る。

交換前に胃内に100mlを注入。

交換後に10mlより多くの吸引で胃内と判断。

感度94% 特異度100%

○胃ろう交換の実際(スカイブルー法)

①胃ろうの可動性の確認(胃ろうが回るか、上下に動くかを確認)→バンパー埋没症候群があるかないかの確認。

②胃ろうの挿入されている方向を確認し覚える。シャフトがどっちを向いているか。

③色素入りの水を100ml注入。

④古い胃ろうを通しガイドワイヤを挿入。(この際に周りにティッシュを置いておく)

⑤古い胃ろうを通しガイドワイヤを残して抜去し、ガイドワイヤを通して新しい胃ろうを挿入。

⑥胃内容を吸引し10mlより多く引けることを確認。10ml引けなければ内視鏡で確認が必要。

バルーンの水が抜けない→バルーンに生食、水をいれてしまう人がいる。

バルブの不都合で抜けない方もいる。

○胃ろう交換のトラブル

ろう孔破損→腹腔内誤挿入。0.5%程度は発生する。

出血(胃内)、挿入困難、抜去困難、バルンの水が抜けない、バンパー脱落。

初回交換は家でやらない。初回交換はトラブルが多い。

○腹腔内誤挿入

バルーン型でもバンパー型でも起こる。

ガイドワイヤが絶対ではない。

初回交換での発生率が高い。

頻度としては0.5%程度と低くはない(100回で4割)。

挿入後の胃内留置確認の徹底を。

交換後初回の栄養剤注入は要注意。まず、水を入れてみるのも手。

○抜去困難

長期留置の場合に多い。

個人差があり繰り返す。

一度抜くのが難しかったら交換頻度を多くすることも考慮。

無理は禁物→内視鏡での切断法に。

○挿入困難

ガイドワイヤ無しの場合に多い。

ろう孔が斜めになっている場合など。

無理しない。細経の尿道カテーテル(12Fr)などをとりあえず留置する。

○胃ろうの管理

ゆるめが良い。

チューブタイプはできるだけ垂直に。

栄養剤注入前は胃内のガスを脱気すること。蓋を開けておくだけでも脱気できる。

11回は360度以上回すこと。

バンパー埋没症候群に注意。胃ろうを引っ張っていると起こる→引っ張ったらダメ。

○自己(事故)抜去

多くはバルーン型に起きる。

繰り返す場合がある→おそらく蠕動による陰圧で破裂。

対処

バルーン型でバルーンがしぼんで抜けたのであればすぐに訪問し再挿入。

バンパー型・バルーンが膨らんでいる場合は内視鏡での交換。ろうこうが壊れている可能性あり。

○胃ろうの管理上でのトラブル

胃ろう周囲が赤くなる→真菌に注意。

胃ろう周囲から栄養剤が漏れる、不良肉芽が出来る→バンパーを緩める。

胃ろうが抜ける→バンパー型は病院へ。

嘔吐する→体位と減圧を確認。

下痢をする→半固形化や投与速度を調整。

○ 胃ろうからの漏れ

原因

胃粘膜の萎縮が原因の一つ。

バンパー埋没症候群も注意。

対処

バンパーを緩める。

ボタン型の場合にはとりあえず腹壁に押し付け固定。

半固形化栄養剤の使用。

次の交換でシャフトを太くしたり短くするのは最悪。長くする。

○栄養剤の固形化

投与時間の短縮。

胃内停滞時間の短縮の可能性。固形化のほうが胃蠕動が起こる。

漏れ、皮膚トラブルの改善の可能性。

便通の改善(増粘剤の食物繊維による)。

一般的には寒天を用いて固形化する。

水分200mlに寒天1g程度。杏仁豆腐の硬さになるように。

○固形化・半固形化栄養剤

保険収載品 ラコールNF配合径腸用半固形剤
作成の手間がいらない。デイサービスなどでも投与可能。

寒天と経管栄養剤を用いて作成した物
様々な栄養剤で固形化可能。注入が比較的容易。(タッパーに1回分作ってしまい、注射器でかき混ぜ吸い上げる。あるいは50mlの注射器の中に寒天を入れた栄養剤を吸っておいて、冷蔵庫の中にいれて作り、そのまま注入してもらう)

(投稿者:斉藤 揚三)