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手指の筋力評価のまとめ

仙塩利府病院で大変お世話になった手の外科の長谷川和重先生の講演を最近受けました。手指の筋力評価のポイントが特に勉強になりましたので、忘備録としてまとめてみました。

手のしびれを訴えられたときに、末梢神経疾患か頚椎疾患かの鑑別が大事。鑑別にはしびれ、知覚障害、反射、誘発テスト、筋力低下から総合的に判断するが、特に筋力低下が重要

筋力低下があれば、神経障害の程度が重症で手術が必要な場合がある。筋力低下の分布をみることが、末梢神経疾患と頚椎疾患の鑑別そのものになる。

手指で評価すべき筋と神経支配

支配神経 髄節(主なもの)
ECR(橈側手根伸筋) 橈骨神経 C6
EDC(総指伸筋) 橈骨神経 C7,8

ADM(小指外転筋)

尺骨神経 C8
FDI(第1背側骨間筋) 尺骨神経 C8
APB(短母指外転筋) 正中神経 Th1
FDP(深指屈筋) 正中、尺骨神経 C8,Th1

手の筋力評価のポイント

抗重力の影響をほとんど受けないと考えられるので、MMT2と3の区別が困難。重要なのはMMT4と5の区別。MMTは単なる力くらべではなく、ある一定の肢位が崩れた時を所見ありとするbreak testである。

EDC(総指伸筋)、FDP(深指屈筋)筋力の診かた

EDC…手関節を背屈位に保持し、基節部(指先端ではない)に力を加えて、MP関節の伸展力をみる。最大伸展位で動かなければMMT5と評価する。

FDP…指を握らせて末節を屈曲させ、抵抗に指が離れるかをみる。

ADM(小指外転筋)、FDI(第1背側骨間筋)筋力の診かた

指の基節部(指先端ではない)で抵抗をみる。全く動かなければ、MMT5と評価する。
drop fingerではMP関節を伸展位に保持して評価する。

APB(短母指外転筋)筋力の診かた

手掌を水平にしっかり保持し、母指を垂直方向に立てるように指示する。
母指のMP関節部に指で抵抗を加える。全く動かなければ、MMT5と評価する。
同時にABP筋腹を指で触れ、収縮・緊張して硬く触れることを確認する。

変法として、母指-小指で対立位をとらせ、対立位を保持させるように十分に力を入れさせる。MP関節部に指で抵抗力を加え、対立位が崩れるかをみる方法もある。

疾患別の所見例

  CTS CuTS C8 root lesion
Biceps 5 5 5
Triceps 5 5 5-
ECR 5 5 5
EDC 5 5 4
ADM 5 3 3
FDI 5 3 3
APB 4 5 4

FDP(示指/中指/環指/小指)

5/5/5/5 5/5/5/4 4/4/4/4

参考資料:
PEPARS No.169 苦手を克服する手外科 全日本病院出版会
第16回宮城手の外科セミナー
仙台整形外科地域医療連携講演会 2022.4.27

(投稿者:斉藤 揚三)