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死亡確認にまつわる様々な疑問③

実際の臨床現場でありそうな例をあげて、私と「法医学者(医師)F先生」とで行ったやり取りを引き続き公開いたします。

例3.在宅医療で定期訪問中の患者。

   3日前に定期訪問した際に衰弱が著しく、老衰の末期状態と判断されている。

   深夜に家族が呼吸停止していることに気づき主治医に連絡。

   主治医は深夜のためすぐに訪問せず翌朝(数時間後)に到着。

   (当院では夜中でもすぐに対応しますが、世間一般ではよくある話です)

   到着後すぐに死亡を確認し、死体に異常がないことから老衰死と診断。

 

私: いつから呼吸が止まったのかわかりませんが「死亡したとき」はいつなのでしょうか?家族が気づいた時間?それとも死亡確認時間でしょうか?

F先生:推定で書いて構いません(最終生存の時間から発見までの間)。呼吸がとまったと思われる時間を推定時刻として記載するのが正しいです

私:いちいち直腸温とか調べなくても「まだ固くもなっていないし、あたたかいので、家族が発見する1時間前(推定)として記載します」って感じでいいんですね?

 

私:深夜の場合、翌朝まで待って死亡確認をすることも多いと思われますが、許されるのでしょうか? 

F先生:法的には問題ないと思われます。死体検案をすぐに行わなければならないとする法律はないはずです。法的に関与する可能性のあるのは診療応酬義務(死体に適応されるか疑問ですが)くらいと思いますが、家族が翌日で了解していればこれも問題ないと思います。ちなみに医師法第20条では「診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない(無診察で交付してよい)。」とありますので、定期訪問した日の深夜(暦上はは翌日も含みますが)に亡くなった場合では、「受診後二十四時間以内に死亡」かつ「診療中の疾患で亡くなる=死亡診断書交付」ですので、「無診察の交付可能=死亡確認いらない」となります。(戦前の法律ですので受診・往診に1日かかるとかのケースを想定しています。現在では社会的に受け入れられないと思いますので現実的には無診察での交付はできないと思いますが。)

私:「24時間以内じゃないと死亡診断書が書けない」っていう誤解は結構有名だと思いますが、いまだに医者も誤解している人が多いですね。逆に「診察後24時間以内なら死亡確認しなくても死亡診断書が書ける」が正しいってのが、すごいと思います。まあ、社会的に受け入れられないでしょうが・・・。

 (投稿者:斉藤 群大)