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科学的認知症診療 5Lessons

『科学的認知症診療 5Lessons 小田陽彦 Signe』

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この本は、一般臨床医に向けて書かれている認知症診療の本です。非常に読みやすく、実臨床で役立ちそうな記載がたくさんありました。特に良いのが、具体的な数字が載っていること(レビー小体型認知症に幻視が現れる確率は70%など)と、論文が明記されていることです。引用している論文はかなりの数です。私見ではなく、科学的根拠から結論を導いているので、説得力があります。

認知症診療に関して、様々な事に言及していますが、筆者が最も言いたいところは、「一般臨床医は抗認知症薬を使わないのが基本」だと思います。抗認知症薬を使っても、臨床的に意味のある認知機能改善は期待できず、副作用も懸念されるからです。抗認知症薬が日本で承認された際の非科学的な過程も考慮すべきだと分かりました。

他にも、抗コリン薬の問題、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の問題、アルコールの問題、ポリファーマシーの問題なども取り上げられています。

同じ出版社からは、『高齢者診療で身体診察を強力な武器にするためのエビデンス』という素晴らしい本が出ていますが、本書の構成やコンセプトはそれに近く、タイトルを変えるのであれば、『認知症診療で強力な武器を持つためのエビデンス』になるでしょうか?

少しでも認知症診療に携わっている方であれば、是非とも読んでおくべき本だと思います。私もこれから何度も読み返していきたいと思っています。

(投稿者:斉藤 揚三)