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血中濃度

血中濃度を測りながら投与しなければならない薬剤として、ワーファリン、ジギタリス、テオフィリン、抗てんかん薬などがあります。
当院ではあえて基準値より低めに維持していることもありますがそれには理由があります。

血中ジゴキシン濃度の基準値は0.8~2.0ng/mLとなっていますが、以下のような報告があります。
血中ジゴキシン濃度が0.5~0.8ng/mLの時が生命予後が良い。1.2ng/mL以上となると死亡率が高くなる。

つまり、ジゴキシン濃度は0.5~0.8ng/mLの低めに維持しなければなりません。

ちなみにジギタリス中毒になると、食欲不振、消化器症状(嘔気、腹痛、下痢)、徐脈、視覚異常などがみられます。

テオフィリン血中濃度は8~20mg/Lが治療域とされていますが、気管支喘息に対する抗炎症作用は5mg/L以下で認められ、COPDでも10mg/Lで気道の炎症細胞が減少したという報告があります。

つまり、テオフィリン濃度は5~10mg/Lの低めに維持したほうが良いと思われます。

ちなみにテオフィリンの慢性中毒には不整脈や痙攣など重篤な症候があります。

(投稿者:斉藤 揚三)