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高齢者の薬の量の調整について

高齢者は腎機能が低下している方が多く、腎臓で代謝される薬を内服した場合、薬の血中濃度が上がってしまうため、腎機能によって薬の量を調整する必要があります。

腎機能低下時に最も注意の必要な薬剤投与量一覧 日本腎臓病薬物療法学会

腎機能が低下しているかどうかが分かるのは血清クレアチニン値ですが、クレアチニンは筋肉の代謝産物のため、筋肉量の少ない高齢者では低く出てしまい、実際の腎機能を反映しません。腎機能を正確に評価するためには、クレアチニンクリアランスを測定しなければなりません。実際に、添付文書では、クレアチニンクリアランスを元に薬の投与量が設定されてることが多いです。

クレアチニンクリアランスを調べるのは大変ですが、下記の式(コッククロフト・ゴールトの式)で推定できます。

クレアチニンクリアランス推算式
男性:(140−年齢)×体重(kg)/(72×血清クレアチニン値)  
女性:(140−年齢)×体重(kg)/(72×血清クレアチニン値)×0.85

この計算式は覚える必要はなく、ネット上やアプリに計算ツールはたくさんあるので、簡単に求めることができます。

血液検査の報告では、自動的にeGER(推算糸球体濾過量)が出てきますが、この値をクレアチニンクリアランスとしてしまうと失敗します。eGFRは標準の体格であると仮定した時の腎機能であり、体格の小さな高齢者で計算すると、腎機能を過大評価してしまい、薬の過剰投与につながります。

高齢者は、eGFRではなく、クレアチニンクリアランスを計算することで、薬の量を調整するべきだと考えます。

(投稿者:斉藤 揚三)