がん患者さんに対する頻回訪問
2018.07.02
看護師による系統的な身体症状のモニタリングが倦怠感を緩和することを示した研究があります。
Systematic monitoring and treatment of physical symptoms to alleviate fatigue in patients with advanced cancer: a randomized controlled trial. J Clin Oncol. 2013;31:716–23.
倦怠感のある152名の進行がん患者を、看護師による定期的なモニタリングを受ける群と対照群に分けて倦怠感が改善するかどうかの研究。
看護師は身体症状だけに対応し倦怠感そのものには焦点を当てなかったが、看護師によるモニタリグを受けた群では、対照群に対して有意に倦怠感が改善していた。
『緩和治療薬の考え方、使い方 森田達也 中外医学社』より抜粋
この研究では看護師によるモニタリングでしたが、看護師に限らず、あらゆる職種でも同じ結果が出るのではないかと考えています。
この研究を応用すれば、末期がん患者さんには、医師でも看護師でも頻回に訪問したほうが、倦怠感が緩和される可能性があるということだと思います。さらに、医師、看護師に限らず、ヘルパー、訪問入浴、薬剤師、リハビリなどあらゆる職種の人が介入し、「調子はどうですか」と声を掛けるだけでも違うと思います。
また、この研究では倦怠感に関しての調査ですが、もしかすると頻回訪問の方が生命予後も変わってくるかもしれない?とも考えながら診療に当たっています。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:緩和医療