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アムロジンの意外な副作用

カルシウム拮抗薬であるアムロジピン(商品名:アムロジン、ノルバスク)は降圧薬としてよく処方されますが、意外な副作用があるので注意が必要です。このことを知らないと、薬の副作用を薬で抑えようとする、いわゆる「処方カスケード」につながってしまいます。

①GERD(胃食道逆流症)
もともとGERDがある人はカルシウム拮抗薬で増悪する(45.4%)。アムロジピンで多く(61.3%)、ジルチアゼム(商品名:ヘルベッサー)で少ない(12.5%)※
機序は、血管平滑筋を緩めるカルシウム拮抗薬が、下部食道括約筋まで緩めてしまうことによります。
カルシウム拮抗薬によるGERDにPPIを使うことは処方カスケードになります。

②浮腫 
カルシウム拮抗薬のなかでも、特にアムロジピンに多い。長期投与でリスクは上昇する。
対応策としては、浮腫が起こりにくいとされるシルニジピン(商品名:アテレック)に変更するか、別の種類の降圧薬に変更するなどが考えられます。
カルシウム拮抗薬による浮腫にループ利尿薬を使うことは処方カスケードになります。

③頻尿
カルシウム拮抗薬の副作用として頻尿、特に夜間頻尿が言われている。

GERDや浮腫、頻尿をみた場合は、アムロジンの副作用も疑ってみる必要があります。

※ Do calcium antagonists contribute to gastro-oesophageal reflux disease and concomitant noncardiac chest pain?Br J Clin Pharmacol. 2007 Jul;64(1):83-9.

(投稿者:斉藤 揚三)