イソジンガーグルでうがい
2017.11.08
先日、当院の患者さんで、のどが痛いためイソジンガーグルでうがいをしているという方がいました。
当院ではイソジンガーグルでのうがいは、むしろ逆効果と考えていて勧めていませんが、そのことを論理的に説明します。
イソジンガーグルでうがいをすることで、病原菌を殺しているとイメージしているのかもしれませんが、病原菌だけではなく、本来なんの問題もない常在菌も殺してしまうことになります。すると、それまでは常在菌の天下だった口腔内に病原菌やカビの繁殖する余地が生まれてきます。また、イソジンには組織障害性もあるので、組織が傷みます。傷んで死滅した組織が病原菌やカビの格好の餌となり、これらの微生物が繁殖することとなります。そうなると、ますますのどが痛くなります。
同じ理由で、リステリンなどのマウスウオッシュも全く意味がない(どころか有害である)ことが分かります。
つまり、「病原菌のみを殺菌できる」という出発点が間違っていたわけです。そう都合のいい話はないわけです。
どうしてもうがいをしたいのであれば、水道水ですることをお勧めします。
(投稿者:斉藤 揚三)
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