デエビゴ錠5mgと併用注意の薬
2025.09.17
当院では睡眠薬としてデエビゴ錠をよく処方していますが、最近、社会保険診療報酬請求審査委員会から、「CYP3Aを阻害する薬剤とデエビゴ錠5mgが処方されている」との連絡文書が来ました。
デエビゴ錠の添付文書には、「CYP3Aを阻害する薬剤との併用により、レンボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強されるおそれがあるため、CYP3Aを中程度に阻害する薬剤との併用又はCYP3Aを強力に阻害する薬剤との併用は、患者の状態を慎重に観察した上で、本剤投与の可否を判断すること(なお、併用する場合は1日1回2.5mgとすること)」とあります。
このことは知ってはいましたが、CYP3Aを阻害する薬剤は処方したこともないような薬がほとんだというイメージがあったため、気に留めていませんでした。
実際に調べてみると以下の薬が該当します(大塚製薬のサイトから添付)。

あまり馴染みがない薬が多いですが、普段処方しそうな薬は、ジルチアゼム(商品名:ヘルベッサー)、ベラパミル(商品名:ワソラン)などの循環器科で処方されるような薬でしょうか。
実際、当院でデエビゴ錠5mgを処方している患者さんを全て調べてみたところ、ジルチアゼムと併用していた患者さんが1名、ベラパミルと併用していた患者さんが2名いました。
3名とも傾眠などの副作用は出現していませんが、2.5mgに減量するか、別の睡眠薬に変更することも検討します。
また、3名とも全て違う薬局から薬をもらっていましたが、薬局からの疑義紹介も特にありませんでした。医師側で気をつけるしかないと思われます。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:薬剤