介護現場におけるペットシーツの利用
2020.07.02
ペットシーツはペット用品ですが、介護現場で使うと非常に便利なので紹介します。
ペットシーツは薄くてかさばらず、安価で、吸水性に優れます。
例えば、末期がんの患者さんで両下肢に著名な浮腫(むくみ)がある方がいました。低アルブミン血症(アルブミン1.8)があり、低栄養に伴う浮腫と考えられました。
この方が、浮腫部の皮膚の一部が破れ、そこから浸出液が漏れていました。こういったケースはよくあります。
もちろん、根本的な治療としては栄養状態を改善させることですが、末期がんの状態であり、栄養状態の改善は難しいです。
そのため、物理的に浸出液を吸収させるしかありませんが、その際にペットシーツを下肢に巻いて吸収させました。
また、当院では褥創の処置(洗浄)の際には、ペットシーツを下に敷いて、飛び散る水分を吸収させています。また、処置後のぬれた皮膚を拭くのにも使用しています。
さらにペットシーツは薄いため、褥創に使う場合は体圧が上がらず、その点もメリットです。ラップ療法の鳥谷部先生が考案した、「穴あきポリ袋入りペットシーツ」は当院でも使用しています。
ぜひ、介護現場でペットシーツを活用してみることをお勧めします。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:在宅医療・訪問診療