低温熱傷の感染例
2022.05.27
症例:90歳台男性
電気毛布による左下腿外側の低温熱傷。湿潤療法を開始。
7日後。創部から膿が出て痛みもあるとのことで再診。創部を中心に疼痛・発赤・腫脹あり、創感染と診断。
エコーでは、皮下組織は腫脹し、筋膜上に滲出液(低エコー域:赤矢印)が貯留している所見あり。
局所麻酔下に、下腿外側に小切開を加え、筋膜上にペンローズドレーンを挿入し留置。抗生剤の点滴をし、その後14日間抗生剤を内服。
10日後。
13日後。
17日後。
24日後。ペンローズドレーン抜去。
52日後。黄色壊死組織のデブリードマンを控えめに実施。
66日後。
80日後。不良肉芽が盛り上がっており、一時的にリンデロンV軟膏を使用。
94日後。
108日後。
129日後。プロペト塗布に変更。
143日後。治癒。
低温熱傷はほとんどが皮膚全層壊死のⅢ度熱傷になるため、治るまでに非常に時間がかかります。さらに感染を合併したため治療に難渋しましたが、湿潤療法を続けることで、約5ヶ月で治癒しました。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:創傷治療