在宅での褥瘡治療① 症例編
2019.03.05
当院で診ている患者さんあっても、訪問介護やデイサービス、ショートステイ、入所先の施設などで、ガーゼが当てられたり、消毒されたりと当院で行っていない方法で褥瘡が処置されていることがあります。
そこで、これから数回にわたって、当院の処置と違った方法で処置が行われることがないように、褥瘡治療の考え方や処置の方法などについて書いていきます。
まずは、当院の症例を供覧します。
症例:87歳 女性
T市在住。東日本大震災の際に母屋が倒壊し、その後倉庫のようなところで暮らしていた。寝たきり状態になったため褥瘡ができ、ケアマネージャーより当院の訪問診療の依頼があった。
初診時、全身のいたることに褥瘡がありました。最もひどかったのが、左腸骨稜と左大転子部の褥瘡でした。黒色壊死組織を伴うステージ4の褥瘡でした。黒色壊死組織はすぐにデブリードマンしました。
エアマットレスを導入し、1日1回当院の指導する処置を行ってもらいました(すぐに施設に入所したため施設職員が処置をしました)。
ひどい褥瘡でも3~4ヶ月でここまで改善しました。
次に、理論的背景を書いていきます。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:褥創治療