在宅医療で治療した左踵Ⅳ度褥創感染合併例
2022.07.05
症例:90代女性
在宅医療に至った経緯:意識障害、高度脱水、褥創多発あり病院に入院。点滴加療で軽快し、食事摂取が可能となり自宅に退院。退院後、通院困難なため当院の在宅医療を希望された。
初診時、左踵に黒色壊死組織を伴うⅣ度褥創がありました。黒色壊死組織はすぐにデブリードマンを実施。湿潤療法を開始。
16日後。
40日後。再度デブリードマンを実施(写真はデブリードマン前)。
82日後。肉芽形成が進み、順調に経過していたが…
92日後。足底が赤く腫れて痛がっていると連絡があり往診し、感染と診断。褥創が塞がってきたことでドレナージができなくなったことが原因と考えられた。
局所麻酔下に足底をメスで切開し排膿。
足底と踵は交通していることを確認し、ペンローズドレーンを誘導し、創外で結ぶ。ここから連日、カテーテルチップを用いて創内を洗浄。
113日後。
118日後。足底の創がポケット状になっており、そこから排膿がみられるため、ポケットの遠位を切開し、ペンローズドレーンの位置を変更。
131日後。ペンローズドレーン抜去。
139日後。
187日後。上皮化完了。
連日の処置は主に、ご家族とデイサービスの看護師にしてもらいました。湿潤療法を続けることで、途中で感染を合併し治療に難渋しましたが、約6カ月で上皮化しました。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:褥創治療