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在宅医療で転倒を予防するためにできること

転倒を予防するために、在宅医療で介入できることを書いていきます。

①減薬

内服薬が5種類以上だと優位に転倒リスクが上がることが分かっているので、できるだけ減薬します。(OR4.5,95%CI:1.7~12.2)

②転倒の原因となる薬剤をできるだけ処方しない

転倒の原因となる薬剤は↓のように数多くあります。特にベンゾジアゼピン系に注意が必要です。

睡眠薬・向精神薬、抗不安薬、筋弛緩薬、降圧薬、α拮抗薬、硝酸薬、制吐薬(プリンペラン)、利尿薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗コリン薬、麻薬、ジギタリス、抗パーキンソン薬

③活性型ビタミンD製剤(エディロール)を処方する

高齢者において血清ビタミンD濃度が不足すると、転倒しやすくなることが報告されています。ビタミンDの投与で転倒が2割程度減少します。

④運動

運動により転倒が17%減少すると言われています。(RR0.83,95%CI:0.75~0.91)
特にバランス訓練が重要です。バランス訓練として有名なものにロコモ体操がありますが、個人的には分かりやすく、簡単で、転倒リスクが低く、効果が高い「起立訓練」を勧めています。

⑤住環境の整備

在宅医療では実際に生活している場を見ることができるため、より具体的なアドバイスができます。段差の解消、障害物を無くす、照明の整備、手すりの設置、歩行器を勧めたりなど。

⑥排尿障害の治療をする

⑦白内障の手術を勧める

(投稿者:斉藤 揚三)