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在宅医療を始めるにあたって読んでおきたい本5冊

在宅医療を始めるにあたって読んでおきたい本5冊を独断と偏見であげてみます。

在宅医療の対象患者さんは高齢者が主で、また対象となる科は全科に及んでいるため、必然的に老年医学や総合診療の本になります。

『高齢者診療で身体診察を強力な武器にするためのエビデンス 上田剛士 Signe』 

無題

在宅医療では、病院と違って、当然のことながら検査をしづらい環境にあります。また、認知症の方が多く、病歴を聴取できないことも多いです。そのため、在宅医療では余計、身体診察が重要になってきます。この本は、どのような身体所見があれば、どのくらいの確率で、どのような疾患が疑われるのかをエビデンスとともに示してくれます。身体診察を武器にできるようになります。

『科学的認知症診療 5Lessons 小田陽彦 Signe』

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在宅医療では認知症の方を診る機会が多いので、認知症に対する薬物治療もできなければなりません。河野和彦先生が提唱する「コウノメソッド」は、非専門医が処方をするうえで、分かりやすい指標を与えてくれます。しかし、ベンゾジアゼピン系受容体作動薬の問題などは、コウノメソッドでは取り上げられていないので、この本で補う必要があります。

『緩和治療薬の考え方、使い方 ver.2 森田達也 中外医学社』

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在宅医療では、癌患者さんの緩和ケアもします。この本は、緩和ケアの現場で遭遇するあらゆる症状(痛み、呼吸困難、悪心嘔吐、食欲不振、便秘、倦怠感、眠気、不安、不眠など)に対する、薬物治療について書かれています。個人的には、抗精神病薬と作用する受容体について書かれた項目が特に勉強になりました。この本に沿って処方をすれば、まず間違いはないです。

『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 日本老年医学会』

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日本老年医学会から出されているガイドラインです。高齢者に「特に慎重な投与を要する薬物」、「開始を考慮するべき薬物」のリストが領域別に載っています。根拠をもって、薬を中止したり開始したりすることができるようになります。

『トップジャーナルから学ぶ総合診療アップデート 第2版 仲田和正 CBR』

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あらゆる領域の最重要論文が取りあげられ、解説し、まとめられています。論文とは全く関係のない文章もありますが、そこを息抜きとして読んでもいいですし、時間がなければ最重要点のまとめを読むたけでも勉強になります。筆者は「とくにこれから僻地離島に赴任される先生方はこの1冊を持っていけば日常診療にさほど困らないと確信しております。」と書かれていますが、まさにそのとおりの本だと言えます。

(投稿者:斉藤 揚三)