年齢調整死亡率についての考察
「死亡率」ワーストは青森 長野、“健康県”1位 厚労省27年調査
各都道府県で年齢構成を調整して比較した死亡率が平成27年に最も低かったのは、男女とも長野県で、最高は青森県だったことが、14日公表された厚生労働省の調査で明らかになった。年齢調整死亡率は5年ごとに出され、トップの長野は男性が2年以降6回連続、女性は2回連続だった。
年齢調整死亡率は、年齢の要素を排除して、都道府県の人口10万人当たりの死亡数で算出した。昭和35年から始まり今回で12回目。国民の健康水準の指標とされる。
全体的な死亡率は、男性486、女性255で、前回(22年)と比較すると、男性は58・3ポイント、女性は20ポイント低下し、状況は改善されている。
死因別ではがん、心疾患、脳血管疾患の三大要因による死亡率は、いずれも前回より低下した。脳血管疾患では、東日本が西日本より高い傾向にある。
都道府県別にみると、男性は長野、滋賀、奈良の順に死亡率が低く、青森、秋田、岩手の順で高い。女性は長野、島根、岡山が低く、高い方では青森、福島、茨城の順になっている。東北地方の死亡率が宮城を除いて高く、同省は「食事の味付けの好みによる塩分摂取量や運動習慣などが原因」とみている。
産経ニュース 2017.6.14 16:40 より
このニュースをみると、宮城を除く東北地方の死亡率が高いようです。塩分摂取量と運動不足によると考察していますが、その他にも様々な要因が絡んでいると考えます。
ご飯を多く食べるためには、味付けの濃いおかずが必要で、塩分摂取量が多い=糖質摂取量が多いということだと思います。寿命には塩分そのものだけではなく、糖質も関係しているのではないかと考えています。
運動不足に関してはそのとおりだと思います。東北は冬は雪に閉ざされ、外出できない地域が多いため運動不足になります。また、「47都道府県の面積100平方kmあたりの鉄道駅数と歩数との間に負の相関がある=鉄道駅が多いほど歩く時間が長い」という報告があり、東北は鉄道網が発達していなく、車社会になっているのも運動不足と関係していると思われます。
その他の要因では、喫煙率(国民生活基礎調査、2013年度)が青森県2位、福島県3位、宮城県4位、岩手県6位、秋田県9位と高いのも影響していると思われます。
また、飲酒習慣者の割合は、青森1位、秋田4位、岩手5位、宮城8位と、これも高いです。
厚生労働省の調査(平成24年国民健康・栄養調査)をみると、視覚的に東北地方がいかに不健康なのかが分かります。唯一、野菜を多く摂取しているのがいい点ですが、その効果を打ち消してしまっているようにみえます。
(投稿者:斉藤 揚三)