心房細動に対するアブレーション
2021/10/27 循環器疾患病診連携の会「当院の紹介を頂いてからのアブレーション入院、治療の実際と、適応と効果~ビデオライブ供覧~」栗原中央病院 循環器内科部長 矢作浩一先生 に参加しました。
心房細動に対するアブレーションの様子を動画で見せていただきましたが、すごいことをしているものだと思いました。栗原中央病院のアブレーションの件数は2021年度は66件に達しているそうです。
今までは、心房細動は、抗凝固療法とレートコントロールをしておけば良いのだと思っていましたが、早期心房細動(1年未満)に対しては、リズムコントロールをした方が予後が良いことが分かってきたようです。
栗原中央病院循環器内科での心房細動のアブレーションの適応は以下のようです。
①年齢 80歳以下(高度認知症がない)
②左心房径 50mm以下
③1年以内に発症し、洞調律に復することができ、薬物療法で維持できる
④うっ血性心不全を発症したことがある
心房細動が長期間持続していると、心房が構造的リモデリングによって大きくなり、心不全につながっていきます。
そうしないためには、心房細動を早期に発見し、早期に治療(アブレーション)をする必要があります。
心房細動を早期に発見するには、家庭血圧を測ってもらい、自動血圧計の脈拍数に注目するのが良いそうです。そこで頻脈があったらかかりつけ医に相談し、心電図で心房細動があれば、専門医に紹介するのが、病診連携だと思います。
また、アブレーション治療だけでなく、高血圧、飲酒、睡眠時無呼吸症候群をしっかりと管理することも重要であることが分かりました。
当院が診ている患者さんは、超高齢で、認知症があり、心房細動も長期に持続している方が多いので、アブレーションの適応がある方はなかなかいないとは思いますが、適応がありそうな方がいればご紹介したいと思いました。
まとめ:心房細動は治療する時代になりました。しかし、早期に治療しなければならないので、早期発見が必要で、発見したら専門医に紹介する必要があることが分かりました。
(投稿者:斉藤 揚三)