手荒れにハンドクリーム!?
手荒れにハンドクリームを使っている方は多いと思います。
ハンドクリームを塗ると、手がすべすべしていかにも皮膚が守られているように感じます。
しかし、実際はそのハンドクリームがさらに手荒れをひどくしていたとしたら、どうしますか?
論理的に説明します。
水と油は混ざらないため、混ぜるには界面活性剤が必要です。また、この水と油を混じりあった状態にすることを乳化といいます。クリームは合成界面活性剤です。クリームが軟膏に比べて塗りやすく、べたつかないのも水分が含まれているからです。しかし、クリームを皮膚に塗ることで、皮脂が乳化し、汗や手洗いなどで皮脂が洗い落とされてしまいます。皮膚を守っている皮脂がなくなると、乾燥が進み、さらに手荒れがひどくなります。ハンドクリームを手に塗るという行為は、科学的には石鹸を手に塗って洗わないことと同じです。石鹸を手に塗って洗わなければ、すべすべの肌になるかもしれませんが、そんなことをする人はいないはずです。
では、手荒れにはどうしたらよいかですが、まずは皮脂をできるだけ落とさないことが大切です。手洗いの際はできるだけ石鹸を使わないようにし、汚れが強いとき以外は水のみの手洗いを推奨します。さらにワセリンを塗るとよいです。ワセリンは皮脂と同じではありませんが、ある程度の代わりにはなります。ワセリンの欠点としてはべたつくことがあげられますが、ワックスがけの要領で、塗った後にすぐにティッシュでふき取るとよいです。これを1日に何回も行います。
さらに手荒れがひどい方は、ワセリンを塗った後に、プラスチック手袋をはめるといいです。手袋をつけると、手指全体を湿潤環境に保つことができ、治りが早くなります。ちなみに、友人のS先生は、プラスチック手袋を付けた状態で外出していましたが、かなり目立つので、自宅でのみ行うのがオススメです。
(投稿者:斉藤 揚三)