抗コリン作用のある薬
2017.10.20
抗コリン薬は副交感神経を抑制するために、以下のような多彩な副作用があります。
腹部膨満・便秘(腸管の動きが悪くなるため)、口渇、ふらつき、眠気、せん妄、視野障害、眼圧上昇、尿閉、高血圧、動悸など
そのため、抗コリン薬のブスコパンは、前立腺肥大症や緑内障の患者さんに禁忌なのは有名です。
注意しなければならないのは、抗コリン作用のある薬です。
抗コリン作用のある薬は数多くあります。上述した副作用が生じる恐れがあるため、抗コリン作用のある薬を処方していることを自覚しておかなければなりません(よく処方されるものを右に書いておきます)。
・抗ヒスタミン薬(を含有する総合感冒薬、鼻炎薬)…アタラックス、ポララミン、PL顆粒
・抗精神病薬…コントミン、セレネース
・抗うつ薬(特に三環系)…トフラニール、トリプタノール
・ベンゾジアゼピン系…セルシン、デパス、レンドルミン
・抗不整脈薬…リスモダン、シベノール
・過活動膀胱治療薬…ベシケア、ステーブラ、バップフォー
・吸入抗コリン薬…スピリーバ
高齢者が風邪薬を飲んで、傾眠がちになったり、尿がでなくなったり、おかしな行動をとったりするのも全て抗コリン作用によるものです。
また、こういった薬を長期で使用していると認知機能が低下するとも言われているので、できるだけ短期の処方にとどめるべきだと思います。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:薬剤