排便後に意識消失を繰り返す症例
2021.03.12
症例:60代女性 施設入居中 手引き歩行レベルのADL
排便の状況:毎日少量ずつ出て、3~4日に1回大量に出る。便の性状は硬めで、摘便が必要なこともある。排便後に意識がもうろうとすることが月に1回くらいある。
前医の下剤の処方:
マグミット錠330mg 2錠 分2 朝夕食後
アミティーザ12μg 2C 分2 朝夕食後
リンゼス0.25mg 2錠 分1 朝食前
排便時に意識がもうろうとするメカニズムは…
排便時に気張る→血管迷走神経反射→血圧低下→意識レベル低下
ではないかと考えました。
処方はできるだけシンプルにしたいのと、また、気張らなくてもスムーズに便が出ることを目指しました。
そこで前医の処方は中止し、
モビコール配合内用剤6.8523g 4包 分2 朝夕食後 を処方しました。
すると、ほぼ毎日柔らかい便がでるようになり、意識がもうろうとすることはなくなりました。
ここ数年で、下剤は新薬が多く出てきています。それらをうまく使って、できるだけ刺激性下剤(センノシド、浣腸など)を使わないようにすべきだと思っています。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:在宅医療・訪問診療