栗原市の訪問診療の需要を計算してみました。
栗原市高齢者福祉計画・介護保険事業計画(案)が発表されました。
ここに書いてあるデータを元に、現在栗原市で訪問診療の適応になる患者さんは何人くらいいるのか、おおまかに計算してみました。
訪問診療が必要な方というのは一人で通院することが困難な方だと考えると、介護度で考えれば、歩けない目安とされる要介護3以上が当てはまると思われます。
22ページより、平成27年度の栗原市の介護認定者数5610人のうち、要介護3以上の人数は2105人です。
38ページより、平成27年度、介護保険3施設に入所している方が797人であることから、入所者が全て要介護3以上だと仮定すると、2105人-797人=1308人が要介護3以上で在宅にいる人数と思われます。
33ページに、在宅にいて介護認定を受けている人の中で、訪問診療を利用している人の割合が9.6%程度とありました。
介護認定を受けていて在宅にいると思われる4813人(5610人-797人)のうち、9.6%にあたる462人が訪問診療を受けているとして、少なくとも846人(1308人-462人)が無理をして通院している人数と推測できます。
つまり、栗原市にはまだ訪問診療の対象になると思われる患者さんが約1000人ちかくいることが分かりました。
また32ページには、主な介護者が不安に感じる介護として、「外出の付き添い、送迎」が33.7%と最も高くなっています。
つまり、通院の付き添いも、介護者にとっては大きな負担になっていると思われます。
介護者の負担軽減のために、また、在宅で医療を受けられずに放置されているかもしれない高齢者に医療を届ける意味でも、広く市民に訪問診療の存在を啓蒙していく必要があるのではないかと考えています。
ちなみに栗原市では高齢者福祉計画・介護保険事業計画(案)に対するパブリックコメントを実施し、市民からの意見や提案を募集するとのことです。
2018年1月5日まで受け付けているようなので、意見がある市民や事業者の方は提出してみてはいかがでしょうか?
※計算に当たっては、入院している方は考慮していません。また、訪問診療を受けている人の多くは要介護3以上と仮定しています。
(投稿者:斉藤 揚三)