死亡直前の徴候について
2018.06.11
患者さんが看取りの時期に入った時に、いつごろ亡くなりそうなのかを予測することは大事です。なぜなら、最期に合わせたい方がいる場合に合わせることが出来きますし、御家族の心の準備もあります。
診察時には、毎回バイタルサインを測定しますが、亡くなる当日までバイタルサインは正常の事が多いので、予測には使えません。
今までの経験による第6感に頼ることもありますが、予測するのはとても難しいです。
森田達也先生が、死亡直前に起こる徴候が出現してから死亡するまでの時間(平均値)を調べています。
死前喘鳴 57時間
下顎呼吸 7.6時間
チアノーゼ 5.1時間
橈骨動脈触知不可 2.6時間
これをまとめると、下顎呼吸・チアノーゼ・橈骨動脈触知不可がみられる場合には、その日の内に亡くなる可能性が高いということになります。
しかし、こういった徴候がみられないからと言って、「今日は大丈夫」と言うこともできません。というのも、死亡直前に必ずこういった徴候が現れるとも限りませんし、約2割の方は急な病態の変化で亡くなるからです。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:緩和医療