痛みのない傷の処置を目指して
2022.07.02
当院では、褥創や傷を洗浄する際には水道水で良いと考えてますが、より痛みが生じないように、生理食塩水で洗うことを推奨しています。
生理食塩水は血漿浸透圧と同等な浸透圧を持ち、組織に対する刺激が少ないためです。
病院でよく行われているのが、点滴の生理食塩水に18G針を刺して洗う方法です。
この方法でも良いのですが、処置の度に輸液を使わなくてはなりませんし、保険請求もできません。在宅医療なので、身近にあるもので安価に生理食塩水を作ります。
生理食塩水は要するに0.9%の食塩水なので、1Lの水に9gの塩を溶かすことで作ることができます。
例えば、下の写真の小さじすり切り一杯の塩を測ると1.9gでした。0.9%の食塩水を作るには211mlの水に溶かせばよく、霧吹きの矢印のところまで水を入れれば、生理食塩水を作ることができるようにします。
ご家族が毎日傷の処置をする場合、このセットをお渡しして、生理食塩水を作ってもらい、処置してもらうこともしています。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:創傷治療