皮下点滴が医療従事者に受け入れられない理由
2020.01.10
当院では、終末期の患者さんをよく診ていますが、食事が摂れなくなって点滴が必要になった場合、皮下点滴を多用しています。
皮下点滴があまりにいいので、今では末梢点滴をすることはほとんどなくなりました。
しかし、医療従事者が家族にいると、なかなか皮下点滴を受け入れてくれません。
おそらく皮下点滴は、何十年も前に行われた、すたれた医療手技だと思われているのでしょう。経験もしたことがないのだと思います(一度経験してもらえれば、良さが分かります)。
一方、医療知識のない家族の方が、先入観がないので、当たり前のように皮下点滴を受け入れてくれます。
これは、傷に対する消毒・ガーゼと同じ構図だと思います。
医療従事者はなかなか消毒・ガーゼの治療をやめられませんが、一般の人の方が、湿潤治療を受け入れてくれます。
パラダイムシフトは、専門職ではなく一般人に広まったときに起こることは、歴史が証明しています。
(投稿者:斉藤 揚三)
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