脱保湿
2017.10.16
訪問診療で診ている95歳の患者さんで、両下肢に皮膚炎が起きている方がいました。
ワセリン塗布を続けていましたが、3か月以上も治らない状態が続いていました。
どうすれば良くなるかを考えていたところ、アトピー性皮膚炎に対する、脱保湿・脱ステロイドで有名な藤澤重樹先生のホームページやfacebookの記事を思いだしました。
そして、
①当症例は、ワセリンによる接触性皮膚炎の可能性があるのではないか?
②皮膚をよく乾燥させた環境におくことにより、個々の表皮細胞は湿潤環境に比して有意にコルチゾール産生が増加するという論文があり、試してみる価値がありそうだ
と考え、ワセリンを止め、なにもしないで経過をみることにしました。
すると、驚くことに、すっかり良くなってしまいました。
左が4か月前の写真。右が現在の写真。
ワセリンや軟膏を塗っても改善しない方には、思い切ってなにもしないという選択肢もあるのではないかと思います。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:創傷治療