褥創感染の症例②
2020.09.21
症例:80歳台女性
廃用が進み、ベッドに寝ている時間が長くなり、仙骨部に2度褥創ができてしまいました。エアマットレスを導入し、家族に処置(Open Wet-dressing Therapy)をしてもらっていました。
約1カ月後、不幸にも褥創感染を起こしてしまいました。瘻孔から探ると、写真の黒い点までがポケットになっていました。
褥創感染の治し方は、①デブリドマン②ドレナージ③抗生剤(内服、注射)が大原則です。特に②が最も重要です。
局所麻酔をし、瘻孔を上下方向に約1cmずつ切開し広げました。加えて、抗生剤内服(AMPC/CVA 7日間)。さらに訪問看護を入れて、連日、瘻孔から褥創内を綿棒を使って洗ってもらうことにしました。
内部を綿棒で洗浄する意味は、内部をきれいにするのと同時に、瘻孔がふさがらないようにする目的もあります。瘻孔がふさがらず、ドレナージがしっかりできていれば感染は必ず制御できます。その後の経過。
瘻孔は徐々にふさがり、やがて綿棒も入らなくなり、約6カ月で完全に閉鎖しました。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:褥創治療