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非ベンゾジアゼピン系

ベンゾジアゼピンには依存、転倒、骨折、認知機能低下、せん妄など様々な問題があります。

そこで、非ベンゾジアゼピン系を使えばベンゾジアゼピンの問題は解決するでしょうか?

まず、半減期についてまとめてみます。

薬剤 一般名 商品名 半減期
ベンゾジアゼピン系睡眠薬 トリアゾラム ハルシオン 3時間
  ブロチゾラム レンドルミン 7時間
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬 ゾルピデム マイスリー 2時間
  ゾピクロン アモバン 4時間
  エスゾピクロン ルネスタ 5時間

超短時間作用型と呼ばれているように非ベンゾジアゼピン系の半減期は短いです。

半減期が短い方が、翌日への持ち越し効果も少なくなるため望ましいですが、高齢者は血漿タンパク質濃度低下や腎機能低下などによって、血中濃度が上がりやすくなっています。

添付文書には、ゾルピデムの半減期は高齢者で2.2倍になったと記載されています。実際には高齢者では長く作用しているのだと思われます。ゾルピデムであっても、翌日の運転機能に影響がでます。

また、薬理的に筋弛緩作用が少ないことが期待されていますが、ゾルピデムで大腿骨近位部骨折が2.23倍、怪我のリスクが1.89倍に増えたという報告があり、筋弛緩作用も実際にはあるのでしょう。

以上をみても、非ベンゾジアゼピンは、ベンゾジアゼピンのようなものと考えた方が良さそうで、ベンゾジアゼピンの代わりになるものではありません。

非ベンゾジアゼピンは、ベンゾジアゼピンと同様に、新規で処方しない、また中止を考慮するべき薬だと考えます。

(投稿者:斉藤 揚三)