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鼻涙管閉塞症に対する漢方薬治療

鼻涙管閉塞症:涙は鼻涙管を通って鼻腔へと流れ込みますが、何らかの原因で鼻涙管が閉塞してしまうと、常に涙が出て止まらなくなります(これを流涙と言います)。

治療は、物理的に鼻涙管を開通させることですが、鼻涙管に金属の棒を通過させるブジーという治療や、チューブを挿入する治療があるようです。

しかし、気軽にできる治療でもありませんし、そもそも在宅医療を受けている患者さんは眼科へ通院すること自体が難しいです。

『西洋医が教える、本当は速効で治る漢方 SB新書 井齋偉矢』のなかで、鼻涙管閉塞症には柴蘇飲(さいそいん:小柴胡湯と香蘇散の合方)が適しているとの記載があります。

柴蘇飲はもともと耳管閉塞に使われていましたが、同じような細い管である鼻涙管閉塞にも効果があるのではないかとのことで使われたのが始まりのようです。

当院でも、涙が止まらない方、5名にこれまで処方しました(小柴胡湯7.5g+香蘇散7.5g 分3 毎食前 7日間処方)。

その結果、
1名:治癒
1名:かなり改善
1名:少し改善
2名:変化なし
でした。

流涙症といっても様々な原因があるので、変化なしの症例は、そもそも鼻涙管閉塞症ではなかった可能性もあります。

例え効果がなくても、漢方薬を処方するだけでこれといった副作用も生じませんし、試してみる価値はあるのではないかと考えています。

↓この論文では90.9%に有効であったと報告しています。

「鼻涙管狭窄症に対する柴蘇飲の効果」

(投稿者:斉藤 揚三)