80歳代男性 転倒を繰り返す症例
2020.07.17
症例:80歳代男性
既往歴:脳梗塞
在宅医療に至った経緯:徐々に廃用が進行し、毎日のように転倒を繰り返しており、通院が困難なため当院の訪問診療が依頼された。
初診時の状況:意思疎通は可能ですが、やや眠そうに話していました。話を聞くと、前医でリリカOD錠75mg 2錠 分2 が処方されてから、ふらつきと転倒を繰り返しているとのことでした。
リリカはおそらく腰痛に対して処方されたものと思われましたが、そもそもリリカは腰痛に適応はありません。また、高齢者に150mg/日は多すぎます。
ふらつきと転倒、傾眠はリリカの副作用と考え、リリカは徐々に減量し、1カ月後に中止しました。
また、体のいたるところに水疱が見られました。皮膚科にも通院していましたが、よく診てもらえず、皮膚の状態も良くならないのでので、こちらで治療してほしいとのことでした。
水疱性類天疱瘡と診断し、プレドニン10mg、ニコチン酸アミド10%2g、シナール配合顆粒4gを処方しました。
現在初診から4カ月程度経過していますが、動きが良くなったため、訪問入浴を中止し、自宅の風呂に入れるようになりました。
皮膚状態も改善し、水疱は色素沈着を残すのみとなりました。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:在宅医療・訪問診療