90歳男性 全身浮腫の症例
2020.06.02
90歳の男性で慢性心不全、両側胸水貯留があり、利尿薬(フルイトラン錠1mg、アルダクトンA錠25mg)を処方していました。
その方に、食欲低下と全身浮腫(1ヶ月で10kgの体重増加)がみられました。
当初は心不全の増悪と考え、利尿薬の増量や追加などをしましたが、むくみは変わりませんでした。
おかしいなと思っていたところ、排尿困難、下腹部膨隆などがみられました。膀胱をエコーで観察してみると、膀胱内に多量の尿があり、前立腺肥大(推定重量は約167g)がみられました。
全身浮腫の原因として、前立腺肥大症による排尿障害→腎後性腎不全→腎性浮腫を考えました。
そこでフォーレを留置したところ、1日で約10Lの尿の流出があり、体重は元に戻りました。
このような症例は当院では2例目になります。
男性の全身浮腫をみた場合、前立腺肥大症などによる尿閉→腎後性腎不全も鑑別としてあげておかなければと思いました。
(投稿者:斉藤 揚三)
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