NHK みんなの体操
皆さんは平日の9:55-10:00にNHKで放映される「みんなの体操」はご存知でしょうか?
普通に仕事している人はまず、見ることがないと思われる番組です。
お姉さん2人が椅子に座ったりしながらひたすら体操をするという番組です。
こんな雰囲気です↓
この番組が在宅医療と何の関係があるのかというと・・・
本日のことでした。
10時前にとある施設に訪問診療に伺いました。
患者さんの居室に向かって歩いていると、ホールにあるテレビを3人の入居者さんが見ていました。
その3人の入居者さんの1人が本日診察予定の患者さんでした。
何気なしにテレビをみてみると、「みんなの体操」をやっていました。
3人で微動だにせず、体操を凝視していました。
5月13日のブログで「患者さん自身が行う筋活動を伴わないリハビリには効果がない」という話を出しましたが、まさにそれとおなじ状況が目の前で繰り広げられていたのです。
体操の番組をいくらみてもリハビリにはならないのです。
それから「NHK みんなの体操」といえば、こんなエピソードもあります。
いつも10時前に訪問診療に伺う患者さんがいます。
その患者さんは決まって「みんなの体操」をみながら体操をやっています(テレビを凝視して何もしない人たちとは偉い違いで、大変素晴らしいことです)。
ただその患者さんは、医者や看護師がきても、そのまま番組が終わるまでやり続けるという信念をお持ちの方なので、患者さんの体操を数分間じっと眺め続けなければならないという状況が生まれます。事情を知らない人が見たらこれはかなり異様な光景だと思いますが、一緒に体操をするのもおかしいのでとにかく体操が終わるのを待ち続けるしかありません。
こんなことは在宅医療でないと経験できないことです。
経験しなくてもいいとは思いますが・・・
(投稿者:斉藤 揚三)