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縫合せずに治療した顔面裂創の症例

症例:100歳代の女性 認知症あり

夜間に転倒し顔面から出血しているとのことで往診依頼あり。

鼻根部に出血を伴う裂創がみられました。

本来であれば、縫合した方が良い創でしたが、ここまでの創だとは思わず縫合の準備をしていなかったため、↓のように応急処置しました。

ヘモスタパッドで圧迫止血し、ステリストリップ、ファスナートで固定。

2日後

縫合の準備をして診察しましたが、テープは剥がれておらず、このままテープ固定を継続できそうだと判断し、ステリストリップ、ファスナートで補強しました。

4日後

13日後

35日後

傷痕は少し残っていますが、縫合した場合と比べて汚い傷痕にはなっていないと思われます。

審美性を優先した形成外科的な縫合を別にすれば、通常の縫合ではどうしても魚の骨のような糸をかけた痕が残ってしまいます。

比較的深い傷でもテープ固定のみで治癒した、貴重な症例を経験しました。

(投稿者:斉藤 揚三)