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死亡確認にまつわる様々な疑問②

実際の臨床現場でありそうな例をあげて、私と「法医学者(医師)F先生」とで行ったやり取りを引き続き公開いたします。

 

例2.初診の患者。

   心肺停止状態で救急搬送され、来院時は心室細動。

   蘇生に反応せずに心静止となり、その30分後に死亡確認

   血液検査で心筋逸脱酵素の上昇あり、死因として心筋梗塞が疑われる。

 

私: 初診の患者だが来院時より診療を開始しており、死亡時には「診療継続中(つまり死亡診断書を発行)」と考えていいのでしょうか? 診療継続中ではないなら死体検案書を書くのでしょうか?しかし来院時は明らかに「死体」ではないと思いますが。

F先生:一般的に(脳挫滅などは別として)心室細動は適切な治療によって生存する場合もありますので、生存の徴候と見る考え方もあるようです。ただし「死の三徴候(瞳孔反応停止,呼吸停止,心停止)」で考えるならば蘇生されない心室細動からの心静止は心停止が継続したことになり、来院時に対光反射がなければ一応「死の三徴候」はそろうことになります。ということで「心室細動」に対して診療継続中と考えることも考えないことも間違いではないです。またブルガダ症候群の様な心室細動そのものが治療対象であれば傷病として診療経過中と捉えて自然と思いますが、原因があって結果としての心室細動であれば、原因が明らかでない限り「死因の病態を医師が十分に把握できている」とは言えないので死体検案書を発行しても良いと思います。「死体」ではなくとも、原因となった傷病が明らかでなければ診療継続中とは必ずしもならず、死体検案書の発行は可能です。

私:救命センターで働いていたときにセンター長から死亡診断書の書き方についてめちゃくちゃ細かく指導されましたが、そのセンター長が「来院時から一貫して心電図がフラットだったらそれは死体なんだから死体検案書だ」という指導を受けました。法医学的には、違うということですね。つまり、死体かどうかと、死体検案書を書くかどうかは別問題ってことですね。わかりやすいです!

 

私: 「死亡したとき」は心静止となった時刻?それとも死亡確認時刻でしょうか?

F先生:大きく時間が違わないので「死の三徴候」がそろっていればどちらでも間違いではないと思います。

私:どこかの病院で過去に、家族の要望で死亡確認を先延ばしにしていたら、その間に家族が相続の手続きとかやって事件になった、っていう話を聞いたことがありましたが、大きく時間が違わなければどっちでもいいってことですね。

(投稿者:斉藤 群大)