インフルエンザワクチンの筋肉注射
2017.11.01
『高齢者のための感染症診療 岩田健太郎 丸善出版』のなかで、インフルエンザワクチンを三角筋に筋肉内注射(以下、筋注)することで、痛み、赤み、腫れなどの副反応を抑えることができるとの記載がありました。
私は、インフルエンザの副反応がでやすい体質なので、自分の体でインフルエンザワクチンの筋注を試してみました。
注射後は筋内に若干の違和感があるくらいでした。いつもは局所の腫れやかゆみに数日間悩まされますが、そういったことはありませんでした。
そこで、調べてみると面白いことが分かりました。
・ワクチンは生ワクチンと不活化ワクチンに分かれ、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンに分類される。
・不活化ワクチンは、筋注の方が効果が高い。
・筋注の方が優位に副反応が少ない。
・欧米ではインフルエンザワクチンは筋注している。
・日本では皮下注射となっている。その理由は、昔、筋注による大腿四頭筋短縮症という合併症が多発したことにより、筋注それ自体が問題とされてしまったから。
以上のことから、インフルエンザワクチン接種は筋注の方が良さそうなことが分かりました。しかし、日本ではルール違反になってしまいます。
そこで、「限りなく筋注に近い皮下注」で乗り切ろうとしている先生もいるようです。
インフルエンザワクチン接種ひとつにしても工夫があるのですね。
(投稿者:斉藤 揚三)
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