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フェントステープ×アブストラル舌下錠

オピオイド(麻薬)投与時には、痛みの増強や突出痛に備えて、追加(頓用)で使える鎮痛薬(速放製剤)を処方しておきます。

その薬のことを「レスキュー」と呼びます。

レスキューは定時で使用しているオピオイドど同じ種類のオピオイドとすることが一般的です。

当院では、定時でオキシコンチンを使っている場合は、レスキューはオキノームとし、フェントステープを使っている場合は、レスキューはアブストラル舌下錠としています。

レスキューの1回量は、1日量の1/6を目安とします。

例えば、オキシコンチン10mg/日を内服している場合、その1/6量の1.7mgがレスキューの目安になります(実際にはその量のオキノームはないため2.5mgを処方)。

しかし、この関係をフェントステープとアブストラル舌下錠に当てはめてはいけません(貼付薬は血中濃度の個人差が大きいことによります)。

そのため、フェントステープを何mg使用していても、レスキューのアブストラル舌下錠は100μgから開始します。

効果がない場合に100→200μgと増やしていき、至適用量を決定します。

前のブログでも書いたように、当院ではフェントステープをよく使っているので、アブストラル舌下錠もよく使います。

フェントステープとアブストラル舌下錠の組み合わせは、在宅緩和医療における最強の組み合わせではないかと考えています。

アブストラル舌下錠の最も良い点は、舌下錠の名のとおり、舌の裏で溶かして使用するので内服できない方でも使用できる点です。

逆に内服してしまうと効果は落ちてしまうので、その点は注意が必要です。

アブストラル舌下錠
効果発現時間:10分
最高血中濃度到達時間:30~60分
効果持続時間:1時間

(投稿者:斉藤 揚三)