レントゲンに頼りすぎない超音波診療
引き続き、第90回 日本整形外科学会学術集会(仙台)の報告です。
「レントゲンに頼りすぎない超音波診療 皆川洋至先生」
今、まさに整形外科診療がレントゲンからエコーにパラダイムシフトしていることが良く分かりました。さらに今後は、エコーガイド下の手術が行われるようになっていくと皆川先生は予想しています。また、今後AIが発達したときに、診断はAIにはかなわなくなり、医者が生き残る道は、患者さんに侵襲を伴う行為(注射や手術など)しかないとのお話がありましたが、その通りだと思いました。
江戸時代に作られた五十肩という俗称に異をとなえ、1947年に「疼痛性肩関節制動症」とした三木威勇治先生(岩手医専教授→東北大教授→東大教授)、2012年に「凍結肩」を提唱した井樋栄二先生(現東北大教授)、超音波の医学への応用に多大な貢献をした和賀井敏夫先生(石巻生まれ、仙台二中出身、順天堂大教授)。ともに仙台にゆかりのある先生方のお話がまずありました。
次に、HR(Hydro-Release、生食リリース)をした症例を映像で見せていただきました。筋膜リリースに加え、頚部神経根症のブロックも超音波ガイド下に行っているようです(超音波では頚椎の横突起をランドマークにしているとのこと)。また、神経麻痺に対してもHRをして効果をあげているというのには驚きました。
最後に伊達政宗の五条訓は医師の心得にも通じるとして、その紹介がありました。非常に示唆に富んでいて考えさせられました。
仁に過ぐれば弱くなる
人を大切にし過ぎれば、相手のためにならない
義に過ぐれば固くなる
正義を振りかざすと融通が利かなくなる
礼に過ぐれば諂(へつら)いとなる
礼儀正し過ぎると、相手に対する厭味となる
智に過ぐれば嘘を吐く
頭が良過ぎると平気で嘘をつく
信に過ぐれば損をする
他人を信じ過ぎると損をすることになる
↓コニカミノルタ社のレポートです。
https://www.konicaminolta.jp/healthcare/report/us/20170521/index.html
(投稿者:斉藤 揚三)