認知症にプレタール
2017.11.06
シロスタゾール(プレタール®)は抗血小板薬で、血栓をできにくくし、脳梗塞の再発を予防する薬剤です。
プレタールが他の抗血小板薬と違う点は、血管壁に作用し、血管を拡張させ、脳血流を増加させる作用があります(これによってアミロイドβの排出効果があるとも言われています)。
さらに、脳神経細胞内にあるCREB(cAMP応答配列結合蛋白)のリン酸化を促進させ、神経伝達を促進させ、認知機能を改善させる可能性があるといわれています。
当院でも認知機能の改善も期待してプレタールを処方しますが、「挨拶をしない方が挨拶するようになった」り、「帰宅願望が強い方が、帰ると言わなくなった」りと、効果を実感しています。
コウノメソッドでは先発でないと効果が落ちるとのことなので、先発で処方しています。
プレタールOD錠50mg 2錠 分2(通常の半分の量)で処方することが多いです。
さらに、誤嚥性肺炎の予防効果も期待できます。
しかし、いろいろな副作用があるため、処方には注意が必要です。
一番多い副作用には、頻脈があります。脈拍数が100を超えるようなら中止を検討します。ついで、頭痛やほてり感もあります。
また、心臓の仕事量を増やすことで、狭心症、心不全、不整脈を悪化させることがあるため、循環器系のリスクが高い方には使えません。
下肢の浮腫や胃潰瘍にも注意が必要ですし、食欲が低下する方もいるので、食欲が低下している場合には本剤の副作用を疑う必要があります。
(投稿者:斉藤 揚三)
カテゴリー:認知症治療